カサンドラ症候群の症状や対処法、自閉スペクトラム症(ASD)の家族がいる人が注意したいことについて【専門家監修】【LITALICO発達ナビ】 – カサンドラ症候群の症状は?

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カサンドラ症候群
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発達障害 発達障害とうつの関係 先述したとおり、余裕のない社会や企業で真っ先につまはじきにされるのが、軽度の障害をもつ患者さんたちです。 たとえば、 うつ病 うつ病は世界で2億万人以上 カサンドラ症候群 日本国内の「発達障害者支援センター」も相談を受け付けている。本人および家族に対する福祉の相談支援として、来所相談・電話相談・メール相談などを行っているが、現状として、発達障害にかかわる支援資源・サービス等については十分に整備されているとはいえず、また 地域 により状況が異なることもある [99] 。.
 
 

 

カサンドラ症候群 – 大阪メンタルクリニック 梅田院

 

就職がなかなか 決まらなくて不安. カサンドラ症候群の由来 カサンドラとは、ギリシャ神話に登場するトロイの王女の名前です。 カサンドラは予言の力がありましたが、太陽神アポロンの愛を拒絶したために、怒り狂ったアポロンから「誰にも予知能力を信じてもらえない」呪いをかけられた、という話があります。 このようなカサンドラの境遇と「身近なパートナーとの関係性に困難や辛さを感じ、周りからもなかなか理解してもらえない状態」を重ねて、「カサンドラ症候群」と呼ばれるようになりました。.

カサンドラ症候群の症状は、大きく「身体的症状」と「精神的症状」の2つに分けられます。 <身体面にあらわれるカサンドラ症候群の症状> 不眠 頭痛・偏頭痛 体重の増減 自律神経失調症 など <精神面にあらわれるカサンドラ症候群の症状> 抑うつ状態 パニック障害 自己評価の低下 孤独感・孤立感を感じる 情緒不安定 自己喪失感 罪悪感 無気力 など 人により、あらわれる症状には個人差があります。.

カサンドラ症候群になりやすい人の傾向 カサンドラ症候群になりやすいといわれている人の一例は下記の通りです。 責任感の強い人 まじめな人 完璧主義な人 我慢強い人 几帳面な人 面倒見の良い人 ストレス発散が苦手な人 自分を責めてしまうことが多い人 例えば、ASDのあるパートナーが不適切な発言をした場合でも、怒ったり、指摘したりせず我慢を続けることで、精神的ストレスが溜まっていき、カサンドラ症候群の症状が表れる場合があります。 もちろん他にも要因がありますので、性格だけでカサンドラ症候群になるわけではありません。. ここでは、カサンドラ症候群に悩む方に考えてほしい対処法について、解説します。 カサンドラ症候群の治療・対処法を考える上で大切なことは「お互いに理解し合うこと」です。 また、カサンドラ症候群による抑うつ気分や頭痛、不眠などの症状については、お薬による治療(薬物治療)などの対処療法で、症状を緩和させるという方法もあります。. お互いに発達障害について理解を深める ASDのあるパートナーと良好な関係を築く上で、大切なポイントが「お互いに発達障害について理解を深める」ことです。 パートナーによっては、自身がASDであることに気付いていないケースがあります。 自覚のない相手に対して、発達障害の専門外来の受診や通院を強要してしまうと、より関係性が悪化してしまう可能性があります。 まずは、どのような特性や困りごと、行き違いなどがあるのかを、お互いに理解し合い、ゆっくりと共有していくところから始めましょう。.

お互いに生活する上で、例えば、「話すときはお互いに否定せずにしっかりと話を聞く」など、不満やストレスを感じる部分については、あらかじめルールを決めておくことで事前にトラブルを回避し、両者の精神的な負担を減らすことができるかもしれません。 また、お互いの行動の理由等について話し合い、理解を深めることで、相手を尊重することにつながる可能性が高まります。. 一人で抱え込み続けることで、より心的ストレスがかかり症状が悪化してしまう可能性があります。 可能であれば、身内や信頼のおける知人など、自分の話を肯定的に受け止めてくれる人に、相談してみると良いでしょう。 一人で抱え込むよりも、周りと気持ちを共有することで、気が楽になり、いくらか精神的負担を減らすことができる可能性があります。 <身近な人で相談できる人がいない場合> 周りに相談できる相手がなかなかいないという方は、カサンドラ症候群について相談できる専門機関を利用するのも良いでしょう。 例えば、ASDについて理解や知見のある発達障害者支援センターや発達障害の専門外来をもつ精神科で相談することで、パートナーの行動や疑問・不満について解消するきっかけとなることがあります。 また、お互いにASDについて話し合える段階であれば、二人で相談しに行くのも良いでしょう。 ASDに関する専門的な知見を持つ人に相談することで、適切な距離感やお互いの付き合い方について有効なアドバイスをもらうことができます。.

自助グループとは、同じ問題を抱える当事者同士が集まり、相互理解や支援をしあうグループのことです。 パートナーがASDで、同じような悩みを抱えている人同士が集まり、当事者にしか分からない想い・経験を話し合い、また、どのように困難を乗り越えられたのかという成功体験を共有することで、自信の問題解決の参考になるかもしれません。 自助グループの多くは、少人数で運営されています。 興味のある方は、一度調べてみると良いでしょう。. 毎日が辛く、苦痛を感じる状態が続く場合、一旦休んでみることも必要かもしれません。 時には、パートナーと関わる機会を減らし、適切な距離感について考えることも大切です。 これからのパートナーとの関わり方について、ゆっくりと落ち着いて考えてみると良いでしょう。.

カサンドラ症候群の症状を抑え、パートナーと良好的な関係を築いていくには、お互いのこと、病気のことを理解し合うことが大切です。 身近な人でASDのある人がおり、精神的ストレスや辛さを感じている方は、一人で抱え込むことを避け、身近に相談できる相手がいない場合は、発達障害者支援センターや専門外来などの専門家に相談したり、同じ悩みを抱える人が集まる自助グループなどで解決の糸口を探してみてはいかがでしょうか。 カサンドラ症候群のある方、ASDのある方、お互いに様々な困難や辛さを抱えていることに違いはありません。 お互いにより良い関係性が築けるよう、ゆっくり落ち着いて理解を深め合うことが大切です。.

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岡田 尊司 著 :カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら 東京都発達障害者支援センター(TOSCA) e-ヘルスネット :ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について. 監修者 鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 客員研究員 井上 雅彦. 障害や就職のこと、LITALICOワークスに相談してみませんか? ちょっとした質問・相談もお気軽にどうぞ。無料でご相談いただけます。.

よくわかる!就労移行支援 障害福祉サービス「就労移行支援」をご存知ですか?障害のある方の就労支援サービスをわかりやすく説明します。. LITALICOワークスとは LITALICOワークスは障害のある方の「働きたい」をサポートします。そのひとりに合った就職の実現に私たちができることとは。. LITALICOワークスを探す 「LITALICOワークスってどこにあるんだろう?」北海道から沖縄まで全国に事業所を展開中です。お近くのLITALICOワークスをお探しいただけます。. 就労移行支援事業所LITALICOワークス TOP お役立ち仕事コラム 発達障害と仕事の記事一覧 カサンドラ症候群の症状や原因について解説|診断や治療方法は?. 大人の発達障害の家族、つまり夫や妻、恋人、同居している親・兄弟・子どもたちは、多かれ少なかれ発達障害の人の言動や行動に振り回されている。極端な場合、夫婦間不和、暴力 DV 、児童虐待などが見られるケースも少なくない。そのほとんどの場合、大人の発達障害というハンディがあるということに本人も家族も気づいてはおらず、「本人のわがままで自己中心的な性格の問題」として片付けられている。 家族は「夫 妻 の言動にうんざりしている」「夫 妻 は私のことを理解してくれない」「物事をいつも自分流に行って、人の意見に聞く耳を持っていない」など強い不満を抱いている。発達障害の人自身も、自分の問題点に気づかず、自分の家族がなぜそんなに自分に不満を持っているのかさえ、気づいていないことがある。気づいていたとしても、自分ではどうすることもできない。発達障害の人がいる家庭では、夫婦関係や親子関係が悪化して、暴力や虐待に走ったり、離婚に至ることも少なくない [39] 。.

発達障害の人とそのパートナーは、さんざんケンカを繰り返し、「口やかましい人と聞く耳を持たない人」という関係になっていることが多い [40] 。 発達障害の人がいると、家族は次のような両極端のパターンになりがちだ。一つは、発達障害者に巻き込まれ、彼らの乱雑さや突発的な行動に家族全体が振り回され、その後始末に追われる。家族のニーズは後回しにされるため、家族の不満がたまるというパターンである。もう一つは、家族全員が発達障害者のことをあきらめて、無視や放任状態になるパターンである [41] 。(星野仁彦). 家庭内では、自閉的特性を持った人のしつこさや自己主張の強さが原因となったトラブルや、家庭不和の問題がある。本人には自分勝手にしているつもりはなくても、結果的にそれで不和が生まれることにもなる。 自閉的な特性が強い夫にはヒステリックな妻、というパターンが多く見受けられる。自閉的な特性を持っている人と、気分感情の波が激しい人は、惹かれあう部分があるのか。あるいは、配偶者が自閉的であると、気分感情の波が激しくなる傾向があるのか。いずれにしても、このような場合、たいていは夫の社会的適応は比較的よく、家庭内の問題が強いために、妻主導で受診することが多く、夫は問題を自覚していないことが多い。幼少期から周囲とは異なっているという感覚は持っているが、知的レベルの高い人が多く、本人の努力で一定以上の社会適応性を身に付けている。その反面、家庭では本来の自分をさらけ出し、妻が迷惑を被るというパターンが多い [42] 。(林寧哲) [注釈 7].

周囲からは「自分が選んだのだから」「そこが好きだったのでしょう」と言われがちだ。しかし、これほど気持ちがすれ違い、一緒にいるのに孤独になることなど誰にもわからなかったのだ [44] 。(滝口のぞみ) [注釈 9]. 一般に他者に共感するということは、社会の特別な要請でもなく、目的化することでもない。しかし、暗黙に社会から必要とされることだ。アスペルガー症候群の人たちには目的にならなければ積極的に行動を起こすための動機にならないというところがある。社会から要請される目標や課題はアスペルガー症候群にとって理解しやすいが、妻との間で必要になる配慮は、結婚した後には目的や課題にはなりにくい [45] 。 たとえば、アスペルガー症候群の男性が子育てをするためには、社会的にそのことが評価されることが重要である。アスペルガー症候群の男性は無意味なこと、無目的なことをすることが苦手だ。妻が喜ぶ顔だけではなかなか子育ての動機づけにならない。子育てを継続的に行うには、自分でやる方が得だといった経済的なメリットを確信していることや、病院や学校で医師や教師から評価される必要がある [46] 。(宮尾益知、滝口のぞみ).

妻からの気づきから受診を促す場合は、かえってそれが夫婦の問題になったり、夫が仕事の意欲をなくすこともある。受診した医療機関が大人の発達障害に詳しくない場合など、診断に至らないことがある。社会的に適応していれば、妻からは特性が認められるのに、診断に至らない場合が少なくない。受診を促したこと自体を、パートナーが被害的に受けとることもある。しかし、パートナーの特性で悩んでいるなら、発達障害に詳しい専門機関に相談するのは重要なことである。妻からの情報で、パートナーにアスペルガー症候群の傾向があると認められ、それが妻の精神的身体的ダメージに繋がっているとしたら、それはカサンドラの状態であると考えられる [47] 。(滝口のぞみ). 診断がついた場合、非アスペルガー症候群女性は嬉しさを感じる一方で、喪失や怒りを感じるかもしれない。診断により、二人の関係に多くの問題をもたらしてきた原因が理解でき、安堵を感じる。しかし、診断がつく前には存在すると思っていた2人の関係は、もはや同じようにそこにはない。アスペルガー症候群であるパートナーとはこの感情を分かち合えないので、とりわけ孤独に感じることになる。 また、自分たちは「ごくふつう」の関係を築いていると思っていたのに、そうではなかったと騙されたような気になって怒りを覚えたり、何年も無駄な努力をしてきたのかと失望したりする。パートナーに怒りが向けられるかもしれないが、それは双方にとって非建設的で否定的な行為である。怒りの段階にある間は、急いで物事を決めないことだ。性急な決断は、短絡的で否定的なものになる。怒りは時間とともに燃え尽きる。そのときになって、何をするべきか、そこからどこへ向かうべきか決め始めるのが良策だ [48] 。 マクシーン・アストン.

アスペルガー症候群の特性がさまざまな形で現れていても、夫婦間の根底にあるのは共感性の問題である。そこには「想像すること」「人との関わり」「コミュニケーション」や「こだわり」、あるいは「感覚」という問題があるが、個人差が大きい。しかし、共通するのは「想像すること」の苦手さと、共感性の問題である [49] 。 一方で、発達障害の特性が人によってさまざまなように、カサンドラの女性が抱える苦悩も一人ひとり違う。夫からの言葉による暴力により、長年の生活で人格を否定されるような精神的苦痛を抱えている人もいれば、夫は優秀で会社でも家でも優しく何でも受け入れてくれるが、妻が深い情緒的な交流がまったくないことにいつも孤独を感じていることもある。 後者の場合は夫が社会的にも優秀な評価をされており、カサンドラ自身が悩むことに罪悪感を持ってしまう。その罪悪感を自分でも受け入れられず、何が起きているかわからないまま抑うつ状態になってしまう。後者の方が言葉の暴力より被害が少ないともいえるが、後者であってもその苦しさは決して軽いものではない。カサンドラの悩みは一つひとつ違い、それぞれ異なる種類の深刻さを持っている [50] 。 宮尾益知、滝口のぞみ.

アスペルガー症候群の人は「一見ちょっと変わっているけどいい人」である。実際にパートナーに持たなければわからない理不尽さやストレスが、いつしかパートナーの精神に変調をきたしてしまう。それはやがて、数々の肉体的な症状にも発展していく。 改善するには対症療法的に、うつ状態や精神不安を解消する薬を服用する。あとは、アスペルガー症候群のパートナーと離れるしかない。アスペルガー症候群の人は自分のパートナーの重篤な精神状態を察することができないため、離れる必要も理解されにくいかもしれないが、カサンドラ症候群の症状が顕著であれば、離れることを考えるべきだと思われる [51] 。 宮尾益知 [注釈 10]. 一方が発達障害を抱えている夫婦では、共依存的な関係が習慣になってしまう危険性がある。それぞれの自立や責任を犠牲にしてまで、相手に関心を注いでいる状態だ。 例えば、発達障害の人は自分が起こした問題をすぐにパートナーのせいにしたり、状況のせいにしたりする。一方、パートナーはすべて自分の責任と思い込み、トラブルの後始末も一人で引き受けるのが習慣になっている。このような関係になっている場合は、単身赴任や一時的な別居で、物理的、心理的距離を置くと効果的だ。お互いに干渉しすぎず、自立する方向へ促す [52] 。(星野仁彦).

カサンドラの心の回復の第一歩は、まず自分が悪いのではないと気づくことから始まる。夫がアスペルガー症候群であることが夫婦の問題の原因だと知ることは、症状の改善に役立つ。ただし、原因が自分ではなく相手であると喜ぶわけではない。長年の苦悩の理由が、アスペルガー症候群の特性とどのように関連があるのかを丁寧に読み解くことで、夫の不思議な行動の原因が見えてくる。それが理解されて初めて、その原因が自分ではないことに合理的な確信が持てるのだ。 しかし、「自分が悪いわけではない」と思えるだけでカサンドラの状態を完全に脱することはできない。回復に最も役立つのは周囲の理解である。夫婦の間に問題があることを信じてもらえないことがカサンドラの本質だからだ [55] 。.

また、カサンドラ状態から抜け出るときには、副作用がある。それは、常に合理的な説明を心がけるようになることや、アスペルガー症候群男性の自己主張に対抗するために、自分の気持ちを譲らずしっかりと自己主張していくことから生まれる。物事を合理的に考えていくようになると、カサンドラの思考パターンも常に目的を持つことを意識するようになり、無駄なことには価値が見出せなくなることがある。本当の自分の上にアスペルガー症候群としての特性が出てくるのだ。そのため、アスペルガー症候群以外の人間関係におけるコミュニケーションに影響が出て、自分が周囲から浮いているとか、以前より嫌な人間になったと感じることがある [56] 。.

夫の奇妙な行動には理由があるのだと知り、二人の関係性の改善が見られたとしても、やはり本質的な寂しさは変わらない。アスペルガー症候群の夫との分かり合えない本当のつらさは、夫の言動やお金の問題よりも、むしろ夫と笑いのツボが違うといった、ごく当たり前のことにあるとも言えるからだ [57] 。 宮尾益知、滝口のぞみ. カサンドラ症候群は、疾患ではなく「現象」である。その結果、身体症状が出たり、本当に病気になってしまうこともあるが、カサンドラ症候群自体は薬では治せない。 カサンドラ症候群を超えていくには、いい意味での「開き直り」と「距離感」が必要になる。線引きをして、自分の中で折り合いをつけていくことが大切だ。妻でも母でもなく、「私」としての考えを持って、何を選ぶか自分で選択していくことを求められる。「相手がこう言ったから」とか「子どものために」ではなく、自ら選択し、「これは自分のためにやっている」と思えたとき、カサンドラ症候群を乗り越えているのだ [58] 。(服巻智子).

専門家がカップルに介入することは、気持ちが伝わらない苦しさの中にある「お互いの言葉と感情の意味」を整理し、翻訳することに似ている。夫と妻は、自分の理屈では何も間違っていないので、自分は正しいと確信があり、どちらが正しいのかで争うことになりがちだ。しかし、問題は気持ちの伝わらなさであり、正しいかどうかではない。専門家が間に入り、何が「今ここで」起きているか、どんな「意味」がやりとりされているか、そのズレや誤解に気づくこと、そして新しい共通の意味を見いだしていくこと、それがカップルをセラピーすることの意義である [59] 。(滝口のぞみ). カサンドラ症候群とおぼしき人は、わかろうとすればするほど相手の欠点を暴き出してしまい、相手を愛している自分さえも時に信じられなくなるほどの痛みが生まれる。それを単にうつとかパニック障害という言葉で括らずに、周囲の評価や自分自身の評価・価値観が根底から揺らぎ、崩壊しそうにあるほどの危機的状態であると理解する。カサンドラ症候群といった状態があるという事実を知っておくことで、支援者は、当事者や配偶者を過度に励ましてしまい結果的に追い詰める、傷つけるという過ちをしないで済む [60] 。(田中康雄).

カサンドラの状態になるのは、誰が悪いわけでもない。特性を持っている人が悪いわけでも、それを見抜けなかった人が悪いわけでもない。もちろん、それらを理解できない人が悪いわけでもない。ただ「特性が影響している」ということだけをまずニュートラルに理解することが必要だ。そうでなければ夫と妻の双方が不幸になるからだ。 しかし、カサンドラ状態に至るまでには極端に共感性を欠く夫の言動があることも事実であり、 モラルハラスメント として認めることもできる。 専門家はこの点をよく認識しておく必要がある。なぜなら、アスペルガー症候群の特性の理解を優先してしまうと、妻がそれによって受けた心の傷と抱えてきた怒りを軽く見積もってしまうことになりやすいからだ [61] 。. また、大切なことは、妻が夫の極端な言動を特性として理解し、たとえこれからの暮らしの中で夫の言動に備えることができるとしても、これまでにその言動でカサンドラが傷ついたことは事実であるということだ。専門家や周囲の人々がその傷の深さを忘れてはならない [62] 。(宮尾益知、滝口のぞみ).

精神科医療の中でアスペルガー症候群が表面化したのは年で [63] 、日本でアスペルガー症候群が注目を浴びるようになったのは年頃からである [64] 。子供のアスペルガー症候群は研究も進み、専門書も多く発行されている。しかし、大人のアスペルガー症候群について研究されるようになったのは、つい最近のことである [64] 。パートナーがアスペルガー症候群だと気づくチャンスもなく、「ちょっと変わっている人」「正直でまじめすぎる人」「自己中心的で困った人」 [64] というように、性格だと思い込んでいることが多い。. 何十年も悩み続け、還暦を過ぎて初めて診察に訪れる妻もいる [65] 。カトリン・ベントリーの場合も、夫がアスペルガー症候群だと初めて気づいたのは結婚17年後だった [66] 。. アスペルガー症候群パートナーの行動を「普通の辞書」で解釈しようとしてもうまくいかない。幸せな結婚生活を送るためには、何がパートナーを幸せにするか学び、できるだけうまく相手の要求に応えるよう努める必要がある [67] 。しかし、通常は夫婦二人の間に、先生と生徒、親と子供というような立場の違いはない。相手は指導する、育てるという任務の対象でもない。対等な大人同士の関係のはずである [68] 。アスペルガー症候群について知らないまま結婚した女性には、なぜコミュニケーションがうまくいかないのかわからない。.

カトリン・ベントリーは著書『一緒にいてもひとり』の中で、「何年間も自分たちの結婚はうまくいっていないと感じていたが、その理由を説明できなかった」、「困っていることは誰にも話さなかった」「もし一言話せばこんな言葉が返ってきただろう。『男だから』『うちの夫も同じよ』『自立しなさい』…」「相談できる人も、わかってくれる人もいなかった」「すべて自分一人で抱え込み、万事うまくいっているふりをした」と述べている [69] 。 外界から自分を閉ざしたアスペルガー症候群パートナーと一緒にいると、姿は見えるのに存在が感じられず、一緒にいても一人ぼっちのように感じられる。しかし、外から見ると全て普通である [70] 。むしろ他の人には、アスペルガー症候群パートナーの行動に悩む妻は、あれこれ指図するえらそうな妻に見える [71] 。. 夫婦という立場からアスペルガー症候群当事者をとらえた本『旦那(アキラ)さんはアスペルガー』の著者である野波ツナは、アスペルガー症候群パートナーとの関係を「言葉では表しにくい正体不明の違和感」と表現している [72] 。. アスペルガー症候群かもしれないということに本人より家族が気づく場合も多く [73] 、アスペルガー症候群の 専門外来 への相談が急増している [65] 。 ただし、アスペルガー症候群は統合失調症や社会不安障害など様々な病気と重なる特性が多々あるため [74] 、大半は別の病気であったり、あるいは夫婦間にコミュニケーションがないだけだったりするという [65] 。昭和大学付属烏山病院院長の加藤進昌によると、年に成人のアスペルガー症候群の専門外来を開いた同病院の場合、アスペルガー症候群の人は初診全体の約2割にとどまるという [65] 。.

コミュニケーションのほとんどは非言語コミュニケーションで、言語コミュニケーションはごく一部にすぎない言われている。自閉的特性の濃厚な人は、非言語コミュニケーションに属する「暗黙の了解」が不十分であると考えられる。そのため、コミュニケーション全体が不十分で、スムーズではなくなる [75] 。. アスペルガー症候群男性は間違ったことを言って人と 衝突 することを恐れるため、パートナーとコミュニケーションを取らない、あるいは意見を言わない。アスペルガー症候群男性は、パートナーとの衝突を避けるためなら、問題があることすら否定したり、二人の違いを無視したりする。パートナーの考えを理解できない人もいる。愛されず、受け止めてくれないことに女性が傷つき、それが苛立ちや 怒り の原因になっていることがわからない。 女性も、アスペルガー症候群の人が感情を読み取ることが難しい、ということがわからない場合もある [76] 。.

このような状態では、話し合いはうまくいかない。女性の感情的な要求が高まるほど、アスペルガー症候群男性は距離を置くようになる。衝突を回避し、問題を 未解決 のままにする。その「先送りすること」こそ問題の原因であり、問題をさらに深刻なものにしていく [76] 。. アスペルガー症候群の人は自分の 視点 からしか考えられないので、自分とは違う意見を受け入れることができず、自分が悪いと認めない。言い争いは、 健康 的な生活を送るために必要な 自信 と強さを失わせ、女性は感情的に消耗する [77] 。感情について話し合えず、関係は表面的なレベルにとどまり、二人の間には距離が生じる [78] 。. アスペルガー症候群の人の行動は一見薄情に見えるが、 心の理論 (Theory of Mind) [79] [注釈 11] [16] がないだけである。言い換えれば、他の人の考えや 気持ち がわからない。自分の視点からしか状況を判断できない。 悪意 があるわけではなく、相手が傷つくことがわからない [80] 。.

アスペルガー症候群の人にとって感情の世界は入り組んでいるので、他の人の 気分 の変化に対処するためには、 論理 的に感情を扱わなくてはならない。 直感 の助けがないので、他の人とのやりとりがとても難しいものになる [81] 。. アスペルガー症候群の配偶者との関係は必ずしも初めから悪いわけではなく、コミュニケーションが困難であることの積み重ねによって悪化していく [82] 。. マクシーン・アストンの調査によると、妻がカサンドラ症候群の場合であれば、初めは女性がアスペルガー症候群男性を助ける役割を担うことが多い [83] 。アスペルガー症候群男性の子供のような無邪気さと、穏やかで受動的な性質に惹かれた女性は、やがてアスペルガー症候群男性がいつまでたっても感情を表さないことに気づく。原因は子供時代にあるのではないかと考え、感情表現と愛情を注いで彼を助けよう、気持ちの表し方を教えてあげようとする。これは無意識のうちに行われる。しかし、時間の経過とともに、簡単に変えられる性質ではないことがわかってくる。気づくまでに何年もかかることもある。女性がどんなに努力しても、彼は気持ちを表さないので、「私のことを好きではない」と思い、苛立ちと憤りがつのっていく。そうなると、夫が何をしてもしなくても妻の気に障り、怒りっぽくなる。一方、夫はいったい何が起きているのかわからない。.

カトリン・ベントリーは、結婚生活の維持を車のメンテナンスに例えて説明している [82] 。. 夫婦の場合、結婚や子供の誕生など環境の変化をきっかけに問題が顕在化することがある [65] 。 「 結婚を境に変化するアスペルガー症候群 」参照. カサンドラも結婚当初は、男女の違いや生家の文化の違いがあるから仕方がないとか、あるいはちょっと変わっている人として夫をとらえているので、コミュニケーションの問題はそれほど意識されない。 妻がカサンドラ症候群の場合であれば、暮らしていくうちに、妻が「普通」に期待する、人を気遣ったり心配したり、思いやったりする言葉があまりないことに遭遇する。妻が意図したこととまったく違う意味で物事を考えていることが、小さな驚きとともに妻の心に積もっていく。 結婚してしばらくすると、夫婦として一緒に考えなければならないライフイベント 転居や出産など、人生で起こる変化や出来事 が起こる。これをきっかけに、二人の気持ちの擦れ違いや、コミュニケーションの難しさが顕在化する。夫婦の間に共通の枠組み 妻から見ての「常識」 がないことに気づく瞬間だと言える [84] 。.

サイモン・バロン=コーエン は、自閉症スペクトラムの男性の脳は究極の「男性脳」であると述べている [85] 。 一般的に、他者との相互作用やコミュニケーションにおいて、男性は論理的で率直になりやすい一方、女性は感情的かつ記述的な言葉を多用する傾向がある [85] 。 そのため、カサンドラ症候群の女性が悩みを口にしても、他の人たちは非アスペルガー症候群夫婦間の愚痴との違いがわからず、「どこの夫婦も同じ」「うちもそうよ」などと答えがちである。実際、アスペルガー症候群との生活のエピソードの一つ一つを見れば「誰にでもあるようなこと」と言える。しかし、それがあらゆる形で一人の人に日々起こり続けるのがアスペルガー症候群である [86] 。カサンドラ症候群の女性は悩みを理解してもらえず、孤独感に陥る。.

パートナーとの関係がいまくいかない時期はどんなカップルにもあるが、一方がアスペルガー症候群のカップルは、両者ともアスペルガー症候群ではないカップルのような対処ができない [87] 。 「論理脳」を持つアスペルガー症候群は、感情的な話になると、非論理的・無秩序・無構造な情報を解読処理しようとして、脳が負荷過剰(オーバーロード;メルトダウン)になってしまう。他の情報を処理する余裕がなくなり、記憶や解釈の違いがコミュニケーションに支障をきたす [88] 。 オーバーロード状態になると、アスペルガー症候群男性は会話を正確に思い出せないことがある。 女性は、アスペルガー症候群男性の脳の情報処理の仕方の違いや、複数の回路を同時に使えないことを受け入れ、覚えておいてほしいことは紙に書き、大切なことはタイミングをよく見計らって伝えなければならない [85] 。アスペルガー症候群男性との共通理解を得るためには、女性は考えや感情を説明する方法を身につけなければならない [89] 。.

オーバーロード状態では、アスペルガー症候群男性は話し合いを避け、二人の間のコミュニケーションは途絶えてしまう。処理しきれない情報を脳が整理する時間が必要なため、アスペルガー症候群男性には引きこもることが必要になる [90] 。 自分たちがどう感じているかを伝えるのはアスペルガー症候群の結婚にとって大事である。「違う」ということは、パートナーの気持ちを理解できるとは限らないということなので、誤解を避けるために話し合い、何が必要か説明しなければならない [91] 。. 人によってアスペルガー症候群の症状はさまざまである。穏やかな人もいれば、感情が激しやすい人もいる。一生懸命やっても仕事がうまくいかない人もいれば [92] 、有名大学卒や大企業に勤務する人もいる [65] 。 アスペルガー症候群の人は極めて論理的な思考の持ち主なので、構造化された環境で適職に就いた場合は、その力を発揮できる可能性がある [93] 。 あるいは、アスペルガー症候群の人はむしろ知的には高いことも多いので、周囲が障害に気づかず、「ちょっと変わった人だな」と思われるだけで済んでいることもある [94] 。.

一方で、決まりきった日常と予想可能性が必要な [95] アスペルガー症候群男性にとって、予想不可能な事柄が多い家庭生活では困難なことが多い。生活上で困ったことが起きると、神経系への過剰な負担となって、アスペルガー症候群男性は頑固になりストレスが高じてくる。オーバーロード状態になり、女性はパートナーに支えてもらえない。さらに、アスペルガー症候群男性の存在自体が問題をさらに難しくする。ストレスで冷静さを失ったアスペルガー症候群男性は、問題に立ち向かうのを拒否する [96] からである。.

どんぐり発達クリニック(東京都世田谷区)の宮尾益知院長は「アスペルガーの人は会社など外では問題がない場合もあり、パートナーの苦しみが周囲に理解されづらい。実際に一緒に暮らしてみないと分からない問題がある」と指摘する。外で気を張っている分、家庭内で緊張感がなくなり、より特徴が強く出てしまうことがあるという [4] 。. 社会的にはどんな好条件の相手であっても、夫婦になってからの情緒的な関わりの乏しさは妻を孤独にする。人が羨む生活に見えることが、アスペルガー症候群エピソードを持つ夫との葛藤をかえって見えにくくしている [97] 。. 同じ苦しみを抱えている家族同士の交流は、考えや気持ちを共有できるので有意義である [98] 。例えば、大人のアスペルガー症候群の専門外来を開いた 昭和大学付属烏山病院 では、定期的に家族会を開いている [65] 。 とはいえ、アスペルガー症候群が広く知られるようになってまだ歴史が浅いため、アスペルガー症候群当事者の支援も発展途上であり、家族支援まで十分に行き届いていないのが現状である。.

カサンドラ症候群当事者による自助会がボランティアで運営されている [注釈 12] 。(欧字五十音順). 日本国内の「発達障害者支援センター」も相談を受け付けている。本人および家族に対する福祉の相談支援として、来所相談・電話相談・メール相談などを行っているが、現状として、発達障害にかかわる支援資源・サービス等については十分に整備されているとはいえず、また 地域 により状況が異なることもある [99] 。. 支援が進んでいる英語圏のサイトでは情報が整理・体系化されているところが多い [] (アルファベット順)。.